<舞鶴少女殺害>64歳被告に逆転無罪判決 大阪高裁(Yahoo!ニュース)
凶器などの物証がなく、状況証拠の評価が争点となった。1審は▽事件発生に近い時間に被告と被害者が一緒にいたという目撃証言▽被害者の遺留品の特徴を述べたという捜査段階の被告の供述--など、検察側が示した状況証拠から有罪を認定できるとした。
今年6月から5回開かれた控訴審で弁護側は▽目撃証言をした男性の説明が変遷している▽捜査段階の被告の供述は誘導されたもの--と指摘し、改めて無罪を訴えた。検察側は「1審に事実誤認はないが、死刑が選択されるべきだ」と主張した。
高等裁判所において被告人に有利な形で原審が破棄されるというのは、珍しいのではないかと思います。一般論として、地裁裁判官の方が高裁裁判官よりも革新的というか、より縛られない形での判決を下すことが多いような印象ですので。
それこそ、一昔前では無罪判決など本当に僅かであり(今でもそうですが)、刑事弁護という分野の無力さが際立っていたように思います。
ですが、ここ最近、刑事弁護という分野が、大きく世相を動かしつつあると感じています。刑事弁護分野に重点的に取り組まれる弁護士、学者の方々のおかげでしょう。
弁護士にも色々な仕事のスタイルがあり、企業法務を専門に扱う弁護士や一般民事を中心に扱う弁護士なども多いです。そのような中で、刑事弁護を専門的に扱う弁護士もいらっしゃいますし、専門とまではいわなくとも重点的に取り組まれている弁護士は、多くはないもののいらっしゃいます。
弁護士を志すきっかけは人それぞれですし、実際にどのような弁護士になっていくのかも、人それぞれです。色々な弁護士像があって然るべきですし、弁護士という職業には無限の可能性があると考えています。
そのような無限の可能性、選択肢の中で、あえて刑事弁護を中心に扱われる弁護士のことを、私は心から尊敬します。
刑事弁護人は、間違いなく世相を動かしています。これからも、もっと動くはずです。本当の正義を目指して。
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